

これでわかる!吉祥紋様解説第1回「松竹梅」(帯写真あり)
吉祥紋様とは良い兆候、おめでたいしるしという意味を表した文様の総称です。 吉祥紋様解説第1回にふさわしいのはやはり定番の「松竹梅」ではないでしょうか。 元々は中国の「歳寒三友(さいかんさんゆう)」が日本に伝わってきたものです。中国では 松と竹は寒さに耐え、色も褪せず緑のままで、梅は寒い中一番初めに花が開く 「清廉潔白」「節操」の意味を持ち古来より書画などの題材として数多く使われてきました。 ですから今日、日本でイメージされている「おめでたい」というイメージとは全く違います。 日本では諸説ありますが、ある時代より松は「不老不死」竹は「子孫繁栄」梅は「長寿」(「産め」と当てはめてよい子を産むという説もあり)の象徴とされ、おめでたい席に好まれるようになりました。 ですから中国でも日本でも松竹梅は対等でお料理屋さんなどでコースの違いを表すような差を本来は持っていないのです。 中国では松竹梅より四君子(蘭・竹・梅・菊)の人気があるようです。 四君子についてもそのうちに解説させて頂きますのでご期待ください。 帯は「本袋匠琳、菱取松竹梅」です。 画像をご覧くだ

絽綴れ名古屋帯 ペンギン
今日は七夕です。 今から1200年前にまとめられた万葉集には多くの七夕の歌が残されています。 万葉集の第10巻に柿本人麻呂の歌とされる 「天の川 楫(かぢ)の音聞こゆ 彦星(ひこぼし)と織女(たなばたつめ)と 今夜会うらしも」 というものがあります。歌の意味は「天の川に彦星のかじを漕ぐ音が聞こえます。彦星が天の川を渡り今夜織女と会うようです。」となります。今の人も昔の人も星空への思いはそれほど変わりないようです。 他にも万葉集第8巻にあり山上憶良による 「天の川 いと川波は 立たねども さもらひかたし 近きこの瀬を」 この歌の意味は「天の川の波はそれほど高くなく、これだけ近い浅瀬なのに会えるかどうかわからず、いてもたってもいられない」というものです。 彦星の気持ちなのか織女の気持ちなのかどちらかわかりにくいですが彦星が語りかけているもののようです。 おび弘では七夕をテーマにした帯も織っています。写真の帯は「絽綴れ名古屋帯 ペンギン」 です。帯の名前だけを見ますと単純にペンギンをモチーフにした帯なのだなと思われがちですが実際には帯に関わる色々な人の