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絽綴れ名古屋帯 ペンギン

今日は七夕です。

今から1200年前にまとめられた万葉集には多くの七夕の歌が残されています。

万葉集の第10巻に柿本人麻呂の歌とされる

「天の川 楫(かぢ)の音聞こゆ 彦星(ひこぼし)と織女(たなばたつめ)と 今夜会うらしも」

というものがあります。歌の意味は「天の川に彦星のかじを漕ぐ音が聞こえます。彦星が天の川を渡り今夜織女と会うようです。」となります。今の人も昔の人も星空への思いはそれほど変わりないようです。

他にも万葉集第8巻にあり山上憶良による

「天の川 いと川波は 立たねども さもらひかたし 近きこの瀬を」

この歌の意味は「天の川の波はそれほど高くなく、これだけ近い浅瀬なのに会えるかどうかわからず、いてもたってもいられない」というものです。

彦星の気持ちなのか織女の気持ちなのかどちらかわかりにくいですが彦星が語りかけているもののようです。

おび弘では七夕をテーマにした帯も織っています。写真の帯は「絽綴れ名古屋帯 ペンギン」

です。帯の名前だけを見ますと単純にペンギンをモチーフにした帯なのだなと思われがちですが実際には帯に関わる色々な人の思いと情熱と技術がこの帯に込められています。

以下は帯のデザインである図案を考えた図案家の話です。

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星が彩る夏の海辺の休日に、賑やかな人の流れに誘われるかのようにふらりとでかけた二人。

浜辺に座り見つめた夜空には海上の先から輝き始めた星が二つ。

それを見つけて「あぁ、今日は七夕だったな」と気がつきます。

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二人が彦星であるアルタイル、織姫星のベガを見つめて何を思い出し何を考え、これからどうなっていくのかは帯の二人の背中を見て頂いたご想像にお任せします。 (図案家より)

図案家も1つ1つのデザインに様々なストーリーや背景を思い浮かべながら悩み苦労して作り上げています。

実際に帯を織る織手の苦労もあります。

この帯は二人のペンギンの横の段と地の部分の横の段の太さが3段とも全て異なっています。そのため織手は織るときにリズムよく作業を行うことができず、変則的な動きを求められます。織手にとってリズムがバラバラという事は時間が余計にかかり、一定の力加減を 維持しこの帯のように綺麗に織り上げる事は一筋縄ではありません。

今回ご紹介したものはおび弘の帯ができるまでに関わる人のほんの一部ですがお知り頂けましたら幸いです。

それでは皆様よい七夕をお過ごしください。

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