
「家庭画報」最新号【2018年8月号】166ページ掲載帯のご紹介
今回ご紹介する帯は知花くららさんに締めて頂きました 「絽綴袋帯、流水」です。 日本で唯一、本袋絽綴の帯を織ることができるおび弘ですが(おび弘調べ) 今回もやはり刺繍を施すために後で縫い合わせる縫い袋の帯となります。 白無地の絽綴の生地を藍色に後染めし、抜染にて流水取りで色を抜きます。 そこに金彩を一部施した後に刺繍の流れとなります。 刺繍は糸による駒縫いが主で、違う色糸を複数使用することによりメリハリをつけ 立体感を出しています。絽の目は隙間がかなりあるために通常の生地に比べて刺繍が難しく、卓越した技術と経験が求められます。 抜染、金彩、異なった色糸による駒縫いにより動きがある見事な流水が表現され、 本誌の着物とも、大変よく合っています。 帯に関するご質問がありましたらお気軽にメールにてお問い合わせください。 #雑誌掲載帯

「家庭画報」最新号【2018年8月号】157ページ掲載帯のご紹介
今回ご紹介する帯は知花くららさんに締めて頂きました 「くし袋帯、唐花に孔雀と鳳凰」です。 おび弘ではくし織りでも本袋の帯を織ることができますが今回の帯も前回ご紹介したものと同様に刺繍を施すため、あえて表と裏を分け、後で縫い合わせる縫い袋帯となります。 まずは画像では確認できないぐらい、うっすらと入った羊歯(しだ)の地紋様が入ったくし織りの生地を後染めにより黄蘗色に染めます。その後、抜染と金彩により刺繍部分以外の柄を配します。さらにアウトラインを刺繍し、金銀の駒刺繍を主として様々な刺繍の縫い方で孔雀や鳳凰、立体感がある部分の唐花を表現します。作業工程が何段階にも及ぶ上に刺繍量も多く手間がかかり、その刺繍自体にも高い技術が込められた素晴らしい帯といえるでしょう。 帯に関するご質問がありましたらお気軽にメールにてお問い合わせください。 #雑誌掲載帯

「家庭画報」最新号【2018年8月号】156ページ掲載帯のご紹介
今回ご紹介する帯は知花くららさんに締めて頂きました
「絽綴袋帯、撫子に棒霞(なでしこにぼうかすみ)」です。 絽綴の帯を国内で織っている機屋は今ではおび弘を含めてわずか2~3社となってしまいました。おび弘はその中でも本袋絽綴の帯を唯一織っていますが今回の帯は、刺繍を施すため、最初から袋状である本袋では不可能です。そのため、表と裏を後で縫い合わせる縫い袋帯となります。 刺繍を施す前にこの帯はまず地色である小豆色に染められます。染め方は生地全体を染液に浸す炊き染めとは異なり、刷毛を使って染める引き染めとなります。その後、抜染(酸化剤などで抜色し、模様をあらわす技法です)により棒霞を描きます。そうしてからいよいよ手刺繍により撫子を刺繍するわけです。織物の帯や染めの帯も素晴らしいですが刺繍の帯もまた違った良さを持っています。 帯に関するご質問がありましたらお気軽にメールにてお問い合わせください。 #雑誌掲載帯