「美しいキモノ」最新号【2017年冬号】108ページ掲載帯のご紹介
今回ご紹介する帯は「綾錦、立涌華文(たてわくかもん)」です。
立涌とは波の線が向かい合い線対称に繰り返すことで表される文様です。「タテワキ」「タチワキ」とも呼ばれ、位の高い人の衣服や能装束にもよく用いられました。立涌の中に雲が入ると雲立涌文、桐が入ると桐立涌文と呼ばれるように様々なバリエーションも存在します。今回は立涌の中に華文が入っているので立涌華文というわけです。
華文は具体的な花ではなく抽象化した花を丸く文様化したもので、そのような形をしたもの全般をいいます。古くより織物や染め物に用いられており、現代でも風格のある文様としてフォーマル用の袋帯などに多く利用されます。
このように格が高く、重厚な二つの文様を組み合わせた立涌華文は紙面でご紹介頂いたように独身女性の第一礼装である振り袖にもぴったりです。
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