これでわかる!吉祥紋様解説第7回「蛤(はまぐり)」(帯写真あり)

「吉祥紋様とは良い兆候、おめでたいしるしという意味を表した文様の総称です。」

「蛤能(よ)く気を吐いて楼台(ろうだい)をなす」という古い中国の言葉が存在します。意味はそのままで、「大蛤が吐く気によって海中より楼台が出現する」となります。蜃気楼の「蜃」ですが中国の古書では蛤の別名でもあり、まさに上の言葉の通り蜃気楼の語源となっています。ただし、もう一つの説があり、中国の薬学の古書、「本草綱目」では竜族の一種である蛟竜に属する竜を「蜃」として、ハマグリと同様に気を吐いて蜃気楼を形成すると記されています。

ハマグリは対の貝しか合わせることができないため、平安時代から貝合せの遊びに使われてきました。貝合せに用いる、内側が美しく装飾された貝を「合わせ貝」、それを収納する蓋付きの容器を「貝桶(かいおけ)」といい、吉祥紋様とされます。また、貝がぴったり合わさる事から夫婦円満の象徴とされ婚礼時にお椀で頂くことが多いのはこのためです。

今回ご紹介する帯は「綴錦、貝綾」です。

手織りの錦地に金箔、銀箔の2種類を併用した二丁箔となります。お太鼓には貝桶を地とは異なった20枚綴れでぼかし風に仕上げ、蛤の中には様々な草花の他に、「七宝」「亀甲」「花菱」「毘沙門亀甲」といった紋様をふんだんに唐織で散りばめています。蛤の周りはあえて地の錦を出し、点ぼかしにすることにより立体感を表現しています。おび弘の様々な技術を駆使している逸品帯といえるでしょう。

帯に関するご質問がありましたらお気軽にメールにてお問い合わせください。

貝綾、お太鼓部分の拡大図です。貝桶だけ綴れ織りになっていることがお分かり頂けると思います。

貝綾、蛤部分の拡大図です。周囲の地を出すことによりくっきりと浮かび上がるように見えます。

#吉祥紋様解説

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