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これでわかる!吉祥紋様解説第6回「熊手」(帯写真あり)

「吉祥紋様とは良い兆候、おめでたいしるしという意味を表した文様の総称です。」

東京では11月の酉の日(※1)に酉の市が立つ神社が複数あります。

歴史のあるものでは花畑大鷲(おおとり)神社、鷲(おおとり)神社などが有名です。

発祥は花畑大鷲神社で、神社の縁起に応徳二年(1085年)には行われていたとされます。江戸時代に魚、野菜、古着、熊手など色々な露店が並び、賑わっていました。その賑わいを狙い、賭場が開帳されていましたが、これも安政年間には禁止となって、市は寂れてしまいました。

鷲神社は江戸時代、台東区竜泉の長国寺の中に鷲宮(わしのみや)として存在していましたが、明治維新後に祭りの人出が増えたため、台東区千束に移転し独立した鷲(おおとり)神社となりました。現在の出店数は200軒近くにもなり、数十万人の人が訪れます。この酉の市といえば、やはり忘れてはならないのが熊手でしょう。縁起物の熊手は「幸せをかきこむ、客をとりこむ」といわれていて

客商売の人たちによく売れていきます。そのため、帯に熊手が吉祥紋様として使われるのが、おわかり頂けると思います。そして熊手の中にはあらゆる縁起物が飾られた特別な「宝尽くし熊手」があります。福が多い「おかめ(お多福)」、赤い色が吉祥を表し『めでたい』につながる「鯛」、豊穣のシンボルである「米俵」、

長寿繁栄を示す「鶴」「亀」「松竹梅」、立身出世を示す「鯉」、恵比寿さんや大黒さんをはじめとした「七福神」、他にも「大判小判」「当たり矢」「打出の小槌」「千両箱」等々これでもかと飾り立てられます。

縁起物の熊手を手にすれば、新年への期待も膨らみ、目標も立てられ、人々の顔も思わずほころんできます。

さて今回ご紹介する帯は「箔紋袋帯、六通酉の市」です。

錦織りに本金の引箔を引いた帯ですが、柄には畦(あぜ)織り、唐織を組み合わせて少しコントラストをつけ、立体感も出しています。一番の特徴は金の箔と箔の間に緑と赤の糸を通して金色だけではなく熊手部分に緑金と赤金の別色の金を表現しているところでしょうか。またこちらの帯は以前、第1回これでわかる!吉祥紋様「松竹梅」のときにご紹介した「送りの柄なのに別腹」の帯となっています。詳しくはこちらを御覧ください。

帯に関してのご質問がありましたらお気軽にメールでお問い合わせください。

(※1)酉の日…2017年は三の酉まであり、一の酉が11月6日(月)、二の酉が11月18日(土)、三の酉が11月30日(木)です。十二支の酉にあたる日で、12日に1回巡ってくる日となります。

宝尽くし熊手

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