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これでわかる!吉祥紋様解説第5回「雀」(帯写真あり)

雀ほど私たちにとって身近な野鳥はいないのではないでしょうか。稲を荒らす害鳥だという人もいれば、様々な虫を食べてくれる益鳥であるという人もいます。どちらに致しましても愛らしい姿は万人が認めるところです。

これからどんどん寒くなるにつれ、この時期特有の真ん丸になった雀たちを街でよく見かけます。防寒対策で羽と羽の間に空気を入れて暖かくしていると言われており、この状態の雀を「ふくら雀」といいますが、ふくら雀を利用した紋様が吉祥紋様と呼ばれるようになったのは「雀が食べてもあまる豊作」「丸々と太った膨らんだ雀」という所から吉祥となりました。

食べすぎてまん丸になったわけではないのですが、雀には不本意でしょうが古くからそう考えられていたようです。もう一つ「ふくら雀」とお聞きになると、帯の締め方をご想像されるかもしれません。振袖の時の古典的で代表的な締め方といえるのではないでしょうか。

今回の帯は2本となります。「竹雀」と「若冲秋塘群雀図」です。

まずは「竹雀」のご説明から。竹と雀は紋様でよく使われる組み合わせで、雀の翼を竹笹に見立てたものや、上で述べたふくら雀と竹林の組み合わせなど様々です。

この帯の一番の特徴は経糸を3種類使用している所です。地色のグレーの濃淡を出すためだけに、白と墨と鼠の3色を使用しています。箔は笹にだけ銀の引き箔を、雀は唐織の組織を。地には匹田鹿の子の組織を敷き詰めて「竹」「雀」「地」を三階層にし、立体感を出しています。

「若冲秋塘群雀図」、こちらは皆様ご存知、伊藤若冲の作品をモチーフにしております。

地は白の漆箔で、柄の部分には銀の箔を使用した2丁箔にて製織しています。

他に柄には唐織、綾織を駆使、さらにはぼかし技法で地紋構成し、躍動感と立体感を出しています。

帯に関するご質問等がありましたらお気軽にメールでお問合せください。

竹雀

「竹雀」

「若冲秋塘群雀図」

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