箔紋袋帯 綾錦 菊垣

立秋とは名ばかりの暑さが続きますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今年の立秋は8月7日からで、この日からお便りを出す場合、暑中見舞いではなく、残暑見舞いになります。あまりの暑さに「立秋の声を聞いて、幾分しのぎやすくなって参りました」のような文例ではなく、冒頭のような切り出しが多いここ数年です。

本日は8月9日ですが、ちょうど1ヶ月後の9月9日は重陽の節句です。

3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕の節句に比べて重陽の節句は少し影が薄い所がありますが、もちろん重陽の節句も、1月7日の七草の節句も五節句の内の1つですから同様に大切にしたいものです。

日本に古来より存在する陰陽思想では奇数は陽という扱いで、重なるため9月9日は「重陽」となります。大昔は重い(数字が大きい)陽が重なるのは強すぎて逆に良くないという考え方もありましたが、今日ではシンプルに縁起がよいと変化してきました。

今回の帯は「箔紋袋帯 綾錦 菊垣」です。

重陽の節句は菊の節句とも呼ばれるため、垣根を青海取り(※1)にし、その中にデザイン化された菊と流水を配置したこの帯をご紹介させて頂きます。

もちろん手織りで、織り方は基本的な綾織りですが、綾錦は4300本ある多くの極細の経糸により、生地に重厚さが出てきます。また、錦織ならではの、艶やかで上品な光沢を醸し出しています。

配色も扱いが難しい濃いピンクや水色などを絶妙なバランスで成立させています。

菊の中心部のハートマークがとても可愛らしい逸品帯です。

(※1)青海取り…青海波(せいがいは)と呼ばれる、古くから存在する波を表した日本の伝統的な紋様を取り込む事。青海波には未来永劫続くという意味が込められています。最近ではwifiマークに似ていると笑い話になったりしています。

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